現代・西洋医学と漢方・東洋医学はからだの見方が違います。
つまり違った言語で人の体を診ているという事です。
そして、お互いに得意な分野が違います。
「なんとなく調子が悪い」とか「冷え性が治らない」とか、病名がつかないもの(は、むしろ漢方・東洋医学の方が得意です。
漢方・東洋医学の特徴と、現代にまで継承されている長い歴史をみれば、その存在の意味に納得して、じっくりと自分の病や体の不調に向き合う事が出来ます。
しかも、漢方・東洋医学には「手の施しようがない」という考えがありません。
病気にとらわれずに、各症状や体質の変化、生活習慣や季節、生活環境などを丸ごと視野にに入れているため、その時々の身心の状態に合わせて治療はずっと続けられるのです。
古くて新しい東洋医学
東洋医学では人間は自然の一部であるという考え方が根底にあります。
日本、韓国、中国では、古来より伝わる鍼灸治療は時代に合わせてアップデートしながら、現代まで人々の支持を得て代々受け継がれてきました。
それは、鍼灸、漢方を含めた伝統医療には、病気と健康に関する今も変わらない普遍的な生命力(エネルギー)の法則があるからです。その一つは「未病を治す」という考え方です。
「予防医学」としての東洋医学
人間は生命エネルギーの働きが悪くなると病気になり、それがなくなると死を迎えることになります。
「未病」とは病気に向かっている段階で病気では無いけど、健康的でもない体の状態、いわゆる生命エネルギーの働きが落ちている状態です。それを放置して長期に渡ってくると「病気」というステージになります。
つらい症状を伴うあらゆる病気には、その前のステージで、身体や心にアラートが点滅されます。それにいち早く気づいて対処する事で病気になるのを防ぐ事が大切です。大火事になる前にボヤのうちに消火するというイメージですね。
そしてこの「未病」の段階で鍼治療をすることで、生命エネルギーが高まり、体は健康な状態に戻ります。